ワーキングホリデーは、二国・地域間の取決めにもとづき、相手国・地域の青少年に、休暇目的の入国と滞在を認める制度です。外務省のページでは、滞在中の旅行・滞在資金を補うための付随的な就労も認めるものと説明しています。
日本は1980年にオーストラリアと制度を始め、2026年4月1日現在で32か国・地域と結んでいます。この記事では、その一覧と年齢などの共通の要件、2回参加できる国、申請と就労で注意することを整理します。
確認日:2026年10月14日。出典は外務省のページ(令和8年4月1日更新)です。国ごとの細かな条件は外務省のページに載っていないため、この記事でも扱いません。
行ける国と年間発給枠の一覧
外務省の表をもとに、国・地域名、制度開始年、年間発給枠を並べました。発給枠は日本から相手国・地域へ行く側の数字です。相手国・地域から日本へ来る側の枠は載せていません。
| 番号 | 国・地域 | 制度開始年 | 年間発給枠(日本人向け) |
|---|---|---|---|
| 1 | オーストラリア | 1980 | 無 |
| 2 | ニュージーランド | 1985 | 無 |
| 3 | カナダ | 1986 | 6,283 |
| 4 | 韓国 | 1999 | 10,000 |
| 5 | フランス | 2000 | 1,800 |
| 6 | ドイツ | 2000 | 無 |
| 7 | 英国 | 2001 | 6,000 |
| 8 | アイルランド | 2007 | 800 |
| 9 | デンマーク | 2007 | 無 |
| 10 | 台湾 | 2009 | 10,000 |
| 11 | 香港 | 2010 | 1,500 |
| 12 | ノルウェー | 2013 | 無 |
| 13 | ポルトガル | 2015 | 無 |
| 14 | ポーランド | 2015 | 500 |
| 15 | スロバキア | 2016 | 400 |
| 16 | オーストリア | 2016 | 200 |
| 17 | ハンガリー | 2017 | 200 |
| 18 | スペイン | 2017 | 700 |
| 19 | アルゼンチン | 2017 | 200 |
| 20 | チリ | 2018 | 200 |
| 21 | アイスランド | 2018 | 30 |
| 22 | チェコ | 2018 | 400 |
| 23 | リトアニア | 2019 | 100 |
| 24 | スウェーデン | 2020 | 無 |
| 25 | エストニア | 2020 | 無 |
| 26 | オランダ | 2020 | 200 |
| 27 | ウルグアイ | 2023 | 100 |
| 28 | フィンランド | 2023 | 無 |
| 29 | ラトビア | 2023 | 100 |
| 30 | ルクセンブルク | 2024 | 100 |
| 31 | マルタ | 2026 | 100 |
| 32 | イタリア | 2026 | 500 |
発給枠が「無」となっているのは、外務省の表でそのように書かれている国です。オーストラリア、ニュージーランド、ドイツ、デンマーク、ノルウェー、ポルトガル、スウェーデン、エストニア、フィンランドが当てはまります。
表のうち、マルタ(100)とイタリア(500)は2026年に始まった制度です。数字はいずれも年間の枠です。
年齢と共通の要件
外務省のページでは、査証申請時の年齢を18歳以上30歳以下としています。ただし、オーストラリア、カナダ、韓国、アイルランドとの間では18歳以上25歳以下です。この4か国は、各国の政府当局が認める場合に限り、30歳以下まで申請できます。
年齢のほかに、外務省のページは次の要件を挙げています。
- 申請先の国・地域から見て相手国にあたる国に住む、その国の国民・住民であること(日本人なら、日本に住む日本国民であること)
- 一定期間、渡航先で主として休暇を過ごす意図があること
- 子や被扶養者を同伴しないこと
- 有効な旅券と、帰りの航空券等(または購入するための資金)を持っていること
- 滞在の当初の期間に生計を維持するために必要な資金を持っていること
- 健康であること
- 以前にワーキング・ホリデー査証を発給されたことがないこと(一部の国・地域を除く)
外務省のページは、査証の発給要件が国・地域で違うとしています。必要な資金の額や保険などはここには載っていないので、行きたい国の駐日外国公館等(台湾は台北駐日経済文化代表処等)のウェブサイトで確認してください。
2回参加できる国
日本は一部の国・地域との間で、制度の見直しを進めています。外務省のページによると、改訂の時期は次のとおりです。
| 改訂の時期 | 対象の国・地域 |
|---|---|
| 2024年12月1日 | ニュージーランド、カナダ、英国、デンマーク、オーストリア |
| 2025年1月1日 | ドイツ、アイルランド、スロバキア |
| 2025年10月1日 | 韓国 |
| 2026年2月1日 | 台湾 |
この見直しの結果、日本人はカナダ、スロバキア、韓国、台湾で、一生涯に2回参加できるようになりました。見直しの対象になった国と、日本人が2回行ける国は一致しません。改訂の対象に入っていても、2回参加できるのは上の4か国・地域です。
英国は、2008年からユース・モビリティ・スキーム(英国のワーキング・ホリデー制度)で、最長2年間の滞在が認められているとされています。
申請先と申請代行の注意
日本人は、駐日外国公館等にワーキング・ホリデー査証などを申請します。国・地域によっては、駐日外国公館等以外で受け付けることもあり、外務省のページは日本国外の大使館、査証申請センター、オンラインを例に挙げています。
外務省は、申請の代行をうたう業者による書類の不適正な処理のトラブルが報じられているとして、注意を呼びかけています。代行業者を通す場合でも、書類の準備と作成を任せきりにせず、渡航先の政府機関や駐日大使館・総領事館が発信している情報を入手し、必要な手続きは直接問い合わせて、自分で確認するよう求めています。
働くときの注意
外務省のページでは、就業できる職種や、同じ雇用主のもとで働ける期間に制限がある国・地域があるとしています。詳しい内容は駐日外国公館等への問い合わせを案内しています。
制度を使って渡航した人から、不当に安い賃金で働かされた、雇用主からセクハラやパワハラを受けた、という情報が寄せられていると、外務省は注意を促しています。あわせて、現地の労働法規を含めて、前もって十分に情報収集するよう勧めています。
外国に住所または居所を定めて3か月以上滞在する場合は、旅券法第16条により、管轄する日本の大使館または総領事館に「在留届」を出す義務があります。在留届はインターネットで提出でき、外務省のページは「ORRネット」を案内しています。
次に確認すること
行きたい国が決まったら、その国の駐日外国公館等のウェブサイトで、年齢、必要な資金、申請方法を確認してください。台湾は台北駐日経済文化代表処等です。この記事の数字は、外務省のページを確認した日のものです。発給枠や参加できる回数は見直されることがあります。
記載は確認日時点の情報です。年齢・発給枠・参加回数・申請方法は、渡航先の駐日公館等の最新の案内で確認してください。